ジブリは、名古屋から始まった!「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」開会式

2018.06.25

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スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーによる手書きの書を、ジブリ作品の資料などとともに紹介し、その軌跡をたどる「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」(6 月 23 日~7 月 16 日、松坂屋美術館)が、6月23日に開幕した。開場前には開会式が行われ、鈴木敏夫の挨拶があった。その後、囲み取材でも、本展覧会についてコメントした。展示では、高畑勲、宮崎駿と出会って 40 年。「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」、そして「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」まで。ジブリはどこから始まりどこへ向かうのか。その秘密に迫る。ジブリ作品の資料だけでなく、鈴木の手書きによる題字、キャッチコピー、キャラクターデザイン、いたずら書き、また、幼少期の制作物から最近の映画寸評、筆による書き下ろしまで、鈴木敏夫の多岐にわたる仕事を一挙紹介。また、広島での初展示から 10 カ月、本人の出身地、名古屋での開催となる。

 

▼開会式での挨拶
冒頭、鈴木敏夫からは、会場となる松坂屋美術館について触れ、「子供の頃、絵を描いたりすると、何度も松坂屋の階段の踊り場に貼りだしてもらった記憶があります。今回は階段ではなく松坂屋美術館で盛大に開催して頂けるということで、ありがたく思っております」と、コメント。展覧会については、「やっぱり心配ですよね。僕の名前がついているから、お客さんが来なかったらどうしようって心配になるんですよ」と述べ、本展のキャッチコピーである“ジブリは、名古屋から始まった”について「僕が考えたんですが、とにかく名古屋の人にアピールしようと思ってつけました」と、地元名古屋の方々への来場を呼びかけた。

 

▼ 湯屋の前での囲み取材
・今回の展覧会について
自分の名前がついた展覧会なので、落ち着いて見られないですね。今まで、映画についてどう思うと聞かれた際には、判断するのはお客さんが入ってくれたかどうかです。それは今回も同じですね。

 

・名古屋の地で開催することにあたって
小学校の頃に絵を描いて、階段に貼り出されていたのが、今回こんな立派な美術館で開催してもらえるなんて当時のことを思うと想像もできないですね。嬉しいというか、戸惑うというか、そんな心境です。

 
・名古屋でこの展覧会を開催することにあたって思いは?
この展覧会は、入り口は僕の字ですが、やはりジブリの世界。「言葉の魔法展」もジブリの世界を紹介してくれる一つの切り口だと思っています。言葉という切り口で。今までの展覧会では、映画を作ることそのものに力点を置いてきましたが、今回はその周辺のことを紹介しようというのが狙いだと思います。名古屋開催に特別な思いは、あるといえばあるし、ないといえばない。ですが、改めて名古屋のことを考えるきっかけになった展覧会だと思います。

 

・お客さんに伝えたいこととは?
自分の書いた字を周りの人に褒めてもらえることも多いんですが、その影には汗と涙の何十年間というのがあるんですよ。しかも毎日。僕は人と会うときメモというか落書きをする癖があって、筆で字を書くというのは 20年間くらいやってきたんです。最初は鉛筆とかボールペンだったのがいつしか筆ペンになって、それを毎日やっていると、いつしかある程度の字が書けるようになったんです。なので「努力すれば実る日はあるよ」ということですかね。

 

・どうして字を書くようになったか
最初の仕事が週刊誌の記者だったので、人の話すことをメモするというのが癖なんですよね。それが高じて人と会う時に必ず字を書くということにつながったんでしょうね。

 

・宮崎駿監督に、この展覧会について何か言われましたか?
名古屋でこういった展覧会をやるということを宮崎駿にはバレないために、言っていないんですよね(笑)。展覧会のポスターも絶対見られないようにと、周りのスタッフに言っておいたんですが、一人のスタッフが机の上にポスターを置いておいてしまって、見つかっちゃったんですね、結局。けれど彼は、このことには触れてこないですね(笑)。

 

・今の中日ドラゴンズに言葉の魔法をかけるとしたら?
今回の展覧会に向けて、すでにドラゴンズに言葉を書いているんです。「過去を悔やまず、未来を憂えず、今ここで、投げて打って走れ」過去を振り買っても悔いる過去ばかり、未来も憂えることばかり、今この瞬間に集中するしかないですよね。僕はかれこれ 15 年くらい、ドラゴンズ戦の中継を全試合録画して、その日のうちに見ることを続けています。そうすると監督がこの後どういうことをやるのか、選手がどうするのか、大体わかるようになるんですよね。なので僕は、ジブリよりも、アニメーションよりも、野球の方が詳しいんです。

 
▼開 催 概 要
会 期 平成 30 年(2018)6 月 23 日(土)~7 月 16 日(月・祝)会期中無休
会 場 松坂屋美術館(〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目 16 番 1 号 TEL.052-264-3611)
地下鉄矢場町駅(名城線)下車、5 番出口すぐ
開催時間 10:00~19:30 ただし、最終日 7 月 16 日は 18 時閉館(いずれも入館は閉館 30 分前まで)
主 催 松坂屋美術館 中日新聞社 ローソンチケット
後 援 名古屋市、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会
特別協力 スタジオジブリ
協 賛 ア・ファクトリー
観 覧 料 一般 1,200 円、中高生 800 円、小学生 600 円

 
▼鈴木敏夫プロフィール
1948 年、名古屋市生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、徳間書店入社。『週刊アサヒ芸能』を経て、『アニメージュ』の創刊に参加。副編集長、編集長を務めるかたわら、「風の谷のナウシカ」「火垂るの墓」「となりのトトロ」などの高畑勲・宮崎駿作品の製作に関わる。1985 年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。以後ほぼすべての劇場作品のプロデュース。現在、株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。著書に『仕事道楽 新版 スタジオジブリの現場』(岩波新書)『ジブリの哲学―変わるものと変わらないもの―』(岩波書店)『風に吹かれて』(中央公論新社)『ジブリの仲間たち』(新潮新書)『ジブリの文学』(岩波書店)『人生は単なる空騒ぎ―言葉の魔法―』(KADOKAWA)などがある。

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