二・二六事件 脱出

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

昭和十一年二月二十六日の未明。降りしきる雪をつき、国体の擁護開顕を志して決起した青年将校のうち、栗林中尉の率いる一隊は首相官邸を襲ったが、折から投宿中の首相と酷似の義弟杉尾大佐を首相と思い込んで射殺、付近一帯に警戒線を張った。隣接の秘書官官舎にいた速水書記官長は急拠、麹町憲兵分隊に救援を求めたが、警戒線の厳重を理由に断られた。これより先、武装警官隊を満載して駈けつけたトラックも、包囲部隊の市田少尉に遮られて走り去った。速水は福井秘書官を従え、首相の遺骸に香華を供えると申し出、邸内に入った。決起部隊が首相と信ずる遺骸が杉尾大佐と知った速水は、さらに女中部屋の押入れに首相が生存していることを認め、宮内省に諸角海相を訪ねて首相救出のため陸戦隊の出動を求めたが、徒らに陸海両軍を刺激してはという懸念から拒絶された。また湯村内大臣からは周囲の情勢から、明日首相に対する勅使差遣を奏上しなければならないので、明正午までに首相を救出して欲しいと頼まれ、焦躁と不安にさいなまれるのだった。一方、ひそかに官邸内に潜入していて逃げ帰った篠原上等兵から首相の存命を知った麹町憲兵分隊の特高係小宮曹長は部下二名と警戒線を突破、秘書官官舎の速水と図って首相の近親者十一名を選んで遺骸に焼香させると称して邸内に入れ、首相の脱出をまんまと成功させた。杉尾大佐の遺骸を連び出そうとした速水は、栗林中尉に「首相の写真とこの遺骸とは違う」と詰めよられ、窮地に陥った。関軍曹が女中のとめに首実検を迫った。しかし、今はすべてを見抜いた栗林中尉は部下を制し、遺骸の室から出た。まもなく、ラジオは「宮内省発表、昨二十六日、即死を伝えられた岡部総理大臣は…」と臨時ニュースを報じた。官邸の正面ホールに塑像のように立ちつくす栗林中尉の姿があった。表門に整列した兵隊の銃剣が、雪と太陽にキラキラと光芒を放っていた。かくて岡部総理は救出されたが、歴史の波はとどめることができず、日本は日中戦争から太平洋戦争へとひきずり込まれていった。


解説

小坂慶助原作『特高』より、「右門捕物帖 卍蜘蛛」の高岩肇が脚色、「万年太郎と姐御社員」の小林恒夫が監督した二・二六事件の裏面史。撮影は「石松社員は男でござる」の藤井静。


配給東映
制作国日本 (1962)
ジャンル 

1962年03月14日より



スタッフ

監督
脚色
原作
企画
撮影
美術
音楽
録音
照明
編集
スチール

キャスト

俳優名役名
柳永二郎岡部健介
志摩栄杉尾源蔵
三國連太郎 (Rentaro Mikuni)速水友常
星美智子速水夫人
中山昭二福井耕
久保菜穂子春本きく
中原ひとみ井川とめ
高倉健 (Ken Takakura)小宮曹長
今井俊二青山軍曹
山本麟一板倉伍長
河野秋武森下分隊長
千葉真一 (Sonny Chiba)篠原上等兵
江原真二郎栗林中尉
大村文武森少尉
北山達也市田少尉
亀石征一郎鶴間中尉
北川恵一高橋中尉
織本順吉 (Junkichi Orimoto)関軍曹
岡本四郎坪井一等兵
江川宇礼雄 (Ureo Egawa)湯村内大臣
神田隆諸角海相
須藤健白石中佐
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