戦争と人間

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

昭和三年。新興財閥伍代家のサロンでは、当主伍代由介の長男英介の渡米歓送会が開かれていた。その場には由介の実弟喬介、由介の長女由紀子、次男俊介、伍代家の女中頭で由介の妾であるお滝、部下の矢次など一族身内の者のほかに、金融家市来善兵衛、陸軍参謀本部の佐川少佐、その部下の柘植進太郎中尉など常連客が招かれていた。話題は期せずして、張作霖打倒のため蒋介石が北伐をはじめた満州の状勢に集まった。関東軍を出兵させ張作霖軍を武装解除させるべきだという強硬論者は、英介と喬介であった。とくに“満州伍代”と呼ばれる喬介は関東軍参謀河本大佐等強硬派と気脈を通じ、より大きな利権を求めて画策していた。その両腕が、匪賊との生命がけの交渉によって運送ルートを作りあげた男、高畠正典と阿片売買やテロルなどに暗躍する凶暴な男、鴨田駒次郎であった。喬介や英介の意見に反対を唱えたのは、まだ中学生の俊介であり、それに無言の支持を示したのは自由主義者の矢次だった。由紀子は妻帯者である矢次を愛していたが、にえきらぬ矢次の態度は彼女を若い柘植中尉との新たな恋に駈った。出兵のための奉勅命令が得られないあせりから関東軍は列車爆破によって張作霖を暗殺するという挙に出た。だがその陰謀は張作霖の息子張学良と蒋介石の和解、総一抗日勢力の強化という方向に事態を動かした。喬介は新参謀石原中佐の依頼で、運送隊の中に偵察特務員を潜入させたが、匪賊はその報復に、高畠の愛妻素子を連れ去った。そして彼女はふたたび帰って来なかった。満州の状勢は悪化の一途をたどった。昭和六年九月、関東軍は奉天郊外の柳条溝付近で、自らの手で満鉄列車を爆破、それを張学良の謀略挑戦であるとして、一斉攻撃を開始した。いわゆる満州事変の始まりであった。この戦争は“死の商人”たる伍代家の利益を飛躍的に増大させた。さらに大陸進出を意図する由介は、アメリカ帰りの英介をも満州に送りこんだ。戦闘は拡大し各地に飛び火した。金沢の師団にいた柘植も出征することになった。出発の前日、由紀子がたずねてきた。二人は何も特別なことは語らなかった。この運命のあわただしい転換を前に、愛の約束は意味のないように思えた。巨大な、そして不吉な暗雲をはらんだ昭和史のあゆみは次第にその速度を早めつつあった。由紀子と柘植のみならず、無数の人間たちの運命が、そのなかで翻弄され、屈折を余儀なくされていった。


解説

「人間の条件 第1・2部」「人間の条件 第3・4部」「人間の条件 完結篇」の原作者、五味川純平が現在なお執筆中の同名大河小説の映画化で、第二次大戦突入期の満州を舞台にくりひろげられる複雑多岐な人間群像ドラマ。脚本は「乱れ雲」の山田信夫、監督は「天狗党」の山本薩夫。撮影は「華やかな女豹」の姫由真佐久が担当。


配給ダイニチ映配
制作国日本 (1970)
ジャンル 

1970年08月14日より



スタッフ

監督
脚色
原作
企画
撮影
美術
音楽
録音
照明
編集
スチール

キャスト

俳優名役名
滝沢修 (Osamu Takizawa)伍代由介
芦田伸介伍代喬介
高橋悦史伍代英介
浅丘ルリ子 (Asaoka)伍代由紀子
十八代目中村勘三郎 (Kanzaburo Nakamura XVIII)伍代俊夫
佐藤萬理伍代順子
二谷英明 (Hideaki Nitani)矢次憔夫
三条泰子失次僚子
波多野憲武居弘通
水戸光子お滝
秋とも子若い女中
清水将夫市来善兵衛
梁正昭市来真吾
杉江広太郎真木信三郎
青木義朗佐川少佐
伊藤孝雄標拓郎
吉田次昭標耕平
江原真二郎灰山浩一
南原宏治陣内志郎
高橋英樹 (Hideki Takahashi)柘植進太郎
三國連太郎 (Rentaro Mikuni)鴨田駒次郎
高橋幸治高畠正典
松原智恵子 (Matsubara Chieko)高畠素子
石原裕次郎 (Yujiro Ishihara)篠崎書記官
田村高廣 (Takahiro Tamura)不破学
加藤剛 (Go Kato)服部医師
福山象三大塩巡査
福崎和宏大塩雷太
山田禅二梅谷庄吉
新井麗子梅谷妻
廣田治美梅谷邦
山本學白氷祥
地井武男 (Takeo Chii)徐在林
岸田今日子 (Kyoko Kishida)鴻珊子
栗原小巻 (Komaki Kurihara)趙瑞芳
丹波哲郎 (Tetsuro Tanba)大頭目
中谷一郎 (Ichiro Nakaya)河本大作大佐
山内明石原莞爾中佐
藤岡重慶板垣征四郎大佐
小山源喜 (Genki Koyama)村岡関東軍司令官
落合義雄張作霖
佐藤京一花谷大尉
滝田裕介森島守人
渡辺晃三教官
長弘小島巡査
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