鯨神

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

漁師たちは、悪魔の化身のようなその巨大な鯨と長い間たたかい続けたが、何百人もが命を失った。今では「鯨神」と呼んで恐れおののき、誰一人近づこうとしない。しかし、九州和田浦に生まれたシャキは、祖父も父も兄も殺され、自分の手で鯨神をたおすことを誓った。村の鯨名主は鯨神を殺した者に、一人娘トヨと家屋敷田地名跡を与えると宣言した。シャキのつぎに「おれも−−」と名乗りあげたのは、紀州からきたばかりの男である。シャキをひそかに愛するエイは、シャキがトヨを嫁にもらうのが心配だが、シャキは鯨神をたおすだけが目的なのだ。木枯吹きすさぶ冬、長崎へ出て医者になろうと志すカスケがきて、シャキの妹ユキを嫁にくれという。シャキが反対しなかったのは、死ぬつもりだからである。梅の花の咲いた日、エイは海岸の洞窟で赤ん坊を生んだ。自分の子でないと知りながらも、シャキは父親になる決心をした。心からエイを愛していたのだ。やがて鯨神が和田浦へ向って全速力でやってくるという通信が入った。船出の前日、紀州男は「俺に一番刃刺しをゆずれ」と迫るが、シャキは応じない。九艘の勢子船と二艘の双海船は一せいに浜を出て、鯨神に向った。「銛をうて!」の合図に十数本の銛が背中にぶちこまれた。傷ついた鯨神は猛烈なスピードで沖に泳ぐ。そのとき、紀州男が血の海に飛び込んだ。鯨名主はシャキを抱きとめた。紀州男は鯨神の背に飛び乗ると、槍で急所をえぐった。苦しまぎれに潜った鯨神が再び浮上したとき、紀州男は絶命していた。シャキは怪物のような頭にとりつき、鼻こぶにテガタ庖丁をふるった。血が滝のように噴き出し、海は朱に染った。鯨神は死んだがシャキもひん死の重傷だった。砂浜で寝棺に入ったシャキは鯨神と対峙した。そこで彼は初めて子供の父が紀州男で、自分を助けるために、あんな無謀なふるまいに出たことを知った。夕陽が海を染めるころ、シャキの最後が迫った。何よりも鯨神を愛したシャキは、自分が鯨神に変身したと感じた……。


解説

芥川賞の宇能鴻一郎の原作を「裁かれる越前守」のコンビ新藤兼人が脚色、田中徳三が監督した文芸もの。撮影は「爛」の小林節雄。


配給大映
制作国日本 (1962)
ジャンル 

1962年07月15日より



スタッフ

監督
脚色
原作
企画
製作
撮影
美術
音楽
録音
照明
スチル

キャスト

俳優名役名
本郷功次郎シャキ
藤村志保 (Fujimura Shiho)エイ
江波杏子 (Enami Kyoko)トヨ
志村喬鯨名主
勝新太郎 (Shintaro Katsu)紀州
高野通子ユキ
竹村洋介カスケ
見明凡太朗 (Bontaro Miake)ヨヘエ
村田知栄子シャキの母
河原侃二シャキの祖父
橘喜久子シャキの祖母
杉田康シャキの父
藤山浩二シャキの兄
上田吉二郎土地ザメ
北城寿太郎片目
橋本力ひげ面
藤原礼子オコマ
須藤恒子エイの老母
宮島健一大別当
佐々木正時別当A
谷謙一別当B
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