殺陣師段平(1962)

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

大正の初年、演劇が芸術に偏し大衆から離れていくのを覚った沢田正二郎は、松井須磨子の「芸術座」を脱退、「時代よりも半歩前進」を唱えて「新国劇」を創立した。ときに、沢正二十六歳。ところが旗上げ興行は無残にも失敗、一座は東京を後にした。−−それから二年、沢田は剣劇ものに活路を見出そうとした。喜んだのは殺陣師上りの一座の頭取、市川段平である。だが、無智無学な彼には沢田の言うリアルな立ち廻りというのが分らない。冷たい沢田の言葉に絶望した段平は泥酔して暴れた。急を聞いて沢田が駈けつけた。「……わいはな、撲られながら立ち廻りの研究してたんや」思わず段平をみつめる沢田。段平のヒントをもとにした立ち廻りは、俄然、巷の評判を呼んだ。意を強くした沢田は一座と共に数年ぶりで東上し、明治座で第一回公演のあと、浅草に根を下ろして「右に芸術、左に大衆」の理想に突き進んだ。そして、いつまでも立ち廻り芝居に溺れては、と狂言なども手がけていったが、立ち廻りだけが恋女房と考えている段平には、それが不満でならなかった。そんな時、大阪から女房お春の危篤を知らせる電報が舞い込んだ。家へ帰るようにいい聞かせる沢田に、段平は「もう用がないさかいわてを追い出すのんか」と喰ってかかり、果ては立看板に斬りつける仕末たった。 −−五年後、磐石の礎を築いた沢田の一行が京都を訪れた。今は裏長屋で中気の余生を送っていた段平はそれを聞くや、絶対安静の禁を犯して家を出た。驚いて駆けつけて来た娘おきくの知らせで、沢田は南座の三階に段平を発見した。襲いかかる死の影と必死に闘いながら新しい殺陣を沢田につける段平の姿に座は激しく打たれて声もなかった。まもなく段平に静かな死が訪れた。殺陣に憑かれた男の手は刀代りの衣紋竹をしっかり握ったままであった。


解説

長谷川幸延原作を「椿三十郎」の黒澤明が脚色、「大学の纏持ち」の瑞穂春海が監督した芸道もの。撮影は「江戸へ百七十里」の今井ひろし。


配給大映
制作国日本 (1962)
ジャンル 

1962年09月30日より



スタッフ

監督
脚色
原作
企画
撮影
美術
音楽
録音
照明
編集
スチル

キャスト

俳優名役名
市川雷蔵 (Raizo Ichikawa)沢田正二郎
二代目中村鴈治郎市川段平
高田美和おきく
田中絹代 (Tanaka Kinuyo)お春
山茶花究兵庫市
上田吉二郎引抜きの男
須賀不二男倉橋仙太郎
深見泰三医者
真城千都世梳髪の女
浪花千栄子婆さん
毛利郁子丸髷の女
西岡慶子小女
伊達三郎 (Saburo Date)太田
寺島雄作徳次郎
近江輝子お房
水原浩一
嵐三右衛門興業師A
原聖四郎金井
天野一郎かんと煮屋
石原須磨男薬屋番(二)
浅尾奥山薬屋番(一)
沖時男巡査
岩田正役者
菊野昌代士興行師B
越川一事務員
大杉潤鶴次郎
木村玄高島
丸凡太電報配達
種井信子新蝶々の女
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