許された一夜

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

芙美は瀬川の独り息子と出征直前叔父喜一に無理に結婚をさせられた。夫は子供が出来た事も知らずに出征し戦死をした。瀬川夫妻は芙美の貧しい事を理由に、子供のみを引き取り芙美に強制的に別居させてしまった。芙美は借間で仕立物をしながら生活をした。にわか雨のある日、戸田恭助に傘を借り翌日戸田の家に傘を返しに行って母子二人暮らしであることを知る。その日家に帰ると叔父喜一が彼女を待っていて瀬川家で子供が病気故直ぐ来るようにとの話で瀬川家に同道するがそこで喜一が常に瀬川家に闇物資を入れて金をもらっている事を知る。庄平夫妻は彼女に冷ややかな態度であったが、義妹の京子は何かと彼女をいたわった。その日も彼女は逃げるように下宿に帰った。恭助の母は一目で芙美が気に入り、恭助の嫁にと心秘かに楽しんでいた。恭助も彼女を愛していた。その後また叔父が訪れ某カフェーより芙美を店で働かせることを条件に五千円前借りした故是非出てくれと頼む。唯一人の身内と思えば仕方なく店に出るようになったが、恭助より一日誘われて朋輩の邦子と三人で山に行き、キャンプの夜恭助より求婚される。彼女は愛情故に過去を打ち明けかね、煩々と愛故に反対にハスッパに自分は真面目な女じゃないと笑うが真剣な恭助に心を偽る事が出来なかった。数日後京子の急報で子供の危篤を知り馳せつけるのが遅く、子供はこの世になかった。庄平は芙美を瀬川家から籍を抜いた。その庄平の家に警察の手が入った。芙美は今や一切を恭助に打ち開けた。恭助は母に彼女の告白を話した。母はこの時はじめて彼等母子の過去を話して聴かせるのだった。その昔、夫に捨てられ、乳呑み児だった恭助を抱えて苦難にみちた人生を歩いた母の半生は、今の芙美の立場にそっくりだ、と母は語った。こんな悲しい運命の人には、大きく強い愛こそ与えてやらねばならない、という母の言葉は、恭助の心を激しく搏つものがあった。無理な借金の返済に懸命の余り体を悪くし、優しい父は亡くなったのだ。そして母はもしあなたが大きな気持ちであの女を包んでおやりになれるんだったら……その自信がおありなら……そりゃ母さんは……どんなに嬉しいか知れやしないと涙の中に言葉を結んだ。恭助は堅く決意し翌日彼女の家に行くと喜一が彼女の持物をかき集めて高飛びするに多忙で、彼女の姿は見えなかった。喜一が逃げるように品物を持って表に出るとすでに警察から手がまわり連行される。入れ違いに京子が訪れ芙美の速達を恭助に見せると自殺の恐れがある文面に驚いたが、恭助は心思うことがあって前に遊んだ山の湖畔に馳せつける。そこに芙美は泣き伏していた。夜霧の中に二人の抱擁が続いた。


解説

満州から引揚げて来た木暮実千代復帰第一回出演。演出は「鍵を握る女」の佐々木啓祐。


配給松竹
制作国日本 (1946)
ジャンル 

1946年12月24日より



スタッフ

監督
脚本
撮影
音楽
録音

キャスト

俳優名役名
木暮実千代 (Michiyo Kogure)芙美
清水一郎芙美の叔父喜一
安部徹 (Tooru Abe)戸田
英百合子戸田の母
高山八百子京子
藤輪欣司京子の父
岡村文子京子の母
槙芙佐子邦子
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