千姫御殿(1948)

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

江戸、観世能楽堂。「八島」を舞う神西次郎左衛門の眼は過去の幻想に異様な輝きをおびてくる、それは大阪落城の折への追想……。「何の状じゃ?」太夫の声にハッと我に返った次郎左の手には小袖の切片がしっかりと握られていた、小袖の主−−千姫こそは次郎左の胸に刻まれた永遠の恋人であった。その千姫御殿は“吉田通れば二階から招く、しかも鹿の子の振袖で”と唄われ、今日もまたお国歌舞伎の歌とはやしが流れていた、側女の趣向で名古屋山三を長持ちに入れ、姫の部屋に運んだが「恋故侍をすてたまことの恋を貫いた見上げた人じゃと思うていたに」と千姫は怒った、そこへ土井利勝の参上でまたも本多家との縁組み話、千姫は今日までの自分の境遇、封建的政略結婚、「妾は猫の子ではない」と利勝にいい放った、御殿の庭で若侍小三郎と侍女梢の恋の語らいを見るにつけ千姫の心はさびしかった、その二人に「このいまわしい所から何もかも断ちきって出るのじゃ」と訓えた今、それは千姫自身への言葉でもあった。御殿の抜け穴から街へ出た姫、折しも「八島」を謡う次郎左の姿が見える、幾年ぶりかのかいごうに次郎左の心は躍った、落城の折の想い出に姫もかいごうを喜び、次郎左の心の裡が姫には何か判るような気がする。次郎左の住居での一夜の寝顔は−−よしその一室が汚い町家であったにせよ−−美しく安らかであった、姫失そうで街は捕吏の往来で騒々しい、後日をおそれた次郎左の住居の貸主の密告で姫は止むなく御殿へ連れもどされたが、姫から次郎左への密書が小三郎の手で運ばれた、その夜御殿の抜け穴から侵入した次郎左は姫と相抱いて喜んだ、だがまた一難、「千姫を尼にせよ」との秀忠の厳命である、姫は次郎左と共に死にたいと己の悲運を嘆いたが、次郎左は「生きていて下さればいかにしてもお訪ね仕ります」と一時姫と別れる。下野常行寺、將にてい髪の行われんとした時次郎左が現れた、二人の愛情に圧倒された利勝も追手を止めた、その翌朝二人の町人姿が朝やけの山路に見られた。


解説

企画は「狙われた女」の辻久一。「好色五人女」の野淵昶が脚本、演出を担当し、カメラは「山猫令嬢」の武田千吉郎。主演は「狙われた女」の花柳小菊「武装警官隊」の岡譲二で小杉勇、月形龍之介、毛利菊枝、野々宮由紀、飯田蝶子が出演する。なお按舞指導の坂本晴江がお国に扮して特別出演する。


配給大映・京都
制作国日本 (1948)
ジャンル 

1948年09月20日より



スタッフ

監督
脚本
企画
撮影
美術
音楽
録音
照明
三味線
小鼓
風俗考証
按舞指導

キャスト

俳優名役名
花柳小菊千姫
岡譲司神西次郎左衛門
月形龍之介土井利勝
大原二郎小三郎
野々宮由紀侍女梢
毛利菊枝呉竹
沢村貞子滝山
飯田蝶子おくら
小杉勇徳川家康
香川良介徳川秀忠
市川男女之助名古屋山三
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