白鳥は悲しからずや

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

両親をもちながらも、冷い家庭の雰囲気に解けこめない西田令子は淋しかった。大阪の若葉学園に通う彼女はいつか虚飾に身をやつし、不良の仲間に入ってゆくが、自治委員の君塚公子は、悪の道から友を救おうと懸命だった。二人は演劇研究会のこの上ない相手だったからである。研究会のリーダーの田ノ上先生は理智にかった美貌の主であったが、古い考えの教頭達に横槍を入れられた。正義派の画の牧先生は職員会議で田ノ上先生に同情したばかりにくびになる。令子は牧先生が好きだった。休職になった先生の下宿をたずねる事が何よりの楽しみだった。こうして温い牧先生の心使いはやがて、頑くなな令子の心をほぐしてゆくかに見えたが、牧の留守に机の中に入れていた内職のエロ雑誌のカットのモデルが令子の眼に田ノ上先生に見えた。「まあいやらしい、ふしだらな」折角目覚めた善への心は逆転したしかし事実、牧は田ノ上先生を愛していたのだ。令子はずるずる悪の道に深入りしていった。心の奥底で牧の幻影を求めながら−−果ては不良学生と京都に遊びにゆき、令子をわがものにしようと二人の学生が決闘した事から波紋が生じた。新聞種−−職員会議−−退学と。和子は委員として令子に同情しながらも、はっきり黒白をつけ、退学を委員会で裁決した。間違った自由のはき違いは単に生徒の側にあるのでなく、教育者たる我々にあるのだと田ノ上先生は悲痛な叫びをあげた。令子は田ノ上先生の真情がわかる様な気がした。そして牧の心も、遂いに田ノ上先生の絶叫は白井学園長の心をも動かし、退学は否決された。喜々として校門を出てまっしぐらに堤防にかけ上ってゆく、二つのセーラー服姿−−公子と令子の二人だった。


解説

えくらん社第三回作品。「第二の人生」「時の貞操」の八木保太郎の脚本で「檜舞台」「わが愛は山の彼方に」の豊田四郎が一年振りにメガホンをとる。東京発声解散以来八年振りの協同である。これに「わが愛は山の彼方に」の三浦光雄がキャメラ「風の子」の松山崇が美術をそれぞれ担当。音楽は「蜂の巣の子供たち」「明日は日本晴れ」の伊藤宣二である。配役は「青春賭博」の水島道太郎と「母三人(1949)」の水戸光子に「殿様ホテル」「肖像」の井川邦子「望みなきに非ず」「青い山脈(1949)」の若山セツ子「不良少女(1949)」「朱唇いまだ消えず」の久我美子が加わり、更に俳優座から東山千栄子、村瀬幸子、信欣三の他、映画初出演の岸輝子、民芸の三島雅夫が協力出演する。


配給えくらん社
制作国日本 (1949)
ジャンル 

1949年08月01日より



スタッフ

演出
脚本
企画
製作
撮影
美術
音楽

キャスト

俳優名役名
東山千栄子学園長
信欣三校長
三島雅夫山本教頭
水戸光子田ノ上和子
水島道太郎牧然作
永田靖安江勝子
井川邦子西田令子
藤原釜足 (Kamatari Fujiwara)上原校医
若山セツ子 (Setsuko Wakayama)君塚公子
田中栄三奥村久作
村瀬幸子西田百合
久我美子 (Kuga Yoshiko)おませな女学生
出雲八重子下宿の小母さん
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