愁海棠

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

時は明治××年。××座の舞台で今し新名題になった紀の国や−−北村京之助−−が「浅妻」を踊っている。その客席で秋子はだん那の黒川につれられて食い入るようにみつめていた。その夜黒川は京之助を酒席に呼んで「隠し芸」を強いるが京之助は何かなぐさみもののあつかいに憤懣を感じて席をたった。黒川は怒ったが秋子のとりなしでことなくすんだ。数日して熱海の黒川の別荘へゆき散歩に出た秋子は偶然にそこへ遊びに来ていた京之助とあう。黒川の囲われ者秋子と、黒川の世話になって新名題となった京之助とがここで結ばれた。東京へ帰った黒川は九州炭坑不正買取りのため数カ月出張した。その間急激に二人の間は燃え上り、秋子は京之助の子を宿してしまった。どうしていいかわからない。秋子は年老いた母と病身の兄を養っていた。京之助はもし黒川から見放されたら当然芝居から引かなくてはなるまい。苦しい二人の間を割くように黒川は九州から帰ってきた。時がたった。二人は逢いもならず、秋子は生れた京之助の子供春子を抱いて黒川の手の中でふるえていた。黒川は春子を本邸へ引きとるという。秋子はどんなにしのんでも春子だけは手放せない。思いあまって久しぶりに京之助とあった。もう二人はなすべきことがきまっていた。行こう二人で!と、二人はその夜春子をつれて北海道へ逃げる手はずをきめ、いよいよ出発のとき、黒川の手下古山のために現場を押えられ、二人は黒川の前へ引き出された。惨にんな黒川のため京之助は手ひどく打ちすえられ、片目をつぶし脚をいため、春子とともに追出されてしまった。泣き叫びすがる秋子を放さず、冷然とこの母のなげきをなぐさむ黒川は、そのとき九州炭坑事件に手がまわり刑事に引かれる身となった。秋子は偶然に釈放された。しかし京之助と春子の行方はようとしてわからなかった、二十年の歳月は流れ秋子は今、兄の営む病院にいた。兄夫婦の息子文男はそのころ銀座のカフェーで一人の女を知った、純情な娘であり。文男はその娘春子と結婚しようと思い、ある日叔母の秋子にあってもらう。その春子こそ、秋子の娘であった。春子の口から京之助は北海道を渡りあるき、再び東京に舞いもどったということがわかった。秋子はとびたつ思いで京之助をたづねた。しかし京之助は、みにくい片目の顔をゆがめて、自らの幸せをなげ出そうという。だが、秋子のはげしい貫かれた愛情に、いつか京之助のまぶたには涙があふれ出たのだった。


解説

この作品は中華民国現代作実秦痩鴎作「愁海棠」の翻案で、製作は「シミキンの忍術凸凹道中」の小出孝、脚本は「君待てども」「結婚三銃士」(柳井隆雄と協同)の池田忠雄と「嵐の中の姉妹」の柳井隆雄の協同で「君待てども」につぐ中村登が監督する。キャメラは「朱唇いまだ消えず」「嘆きの女王」の長岡博之が担当する。主演は「女の闘い」「別れのタンゴ」の高峰三枝子と歌舞伎役者で映画初出演の市村羽左衞門、同じく沢村田之助でそれに「フランチェスカの鐘」の桂木洋子と、高橋貞二「嘆きの女王」の増田順二「嘆きの女王」「森の石松(1949)」の殿山泰司「地獄の笛」「嘆きの女王」の神田隆「地獄の笛」「わが子ゆえに」の飯田蝶子らが出演する。


配給松竹
制作国日本 (1949)
ジャンル 

1949年08月08日より



スタッフ

監督
脚本
製作
撮影
美術
音楽
録音
照明

キャスト

俳優名役名
市村羽左衞門北村京之助
桂木洋子娘春子
高峰三枝子内田秋子
高松栄子母きぬ
増田順二兄誠一郎
真山くみ子くに子
高橋貞二文男
柳永二郎黒川省造
殿山泰司 (Taiji Tonoyama)古山
神田隆杉浦
磯野秋雄新公
飯田蝶子おたけ
坪内美子おしま
沢村田之助沢村寿美之丞
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