影を慕いて(1949)

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※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

ストーリー

作曲家の大立物尾形勇造と門下の鋭才として将来を嘱望されている加賀俊男、小村英二らはパトロンの水木夫人の招待でとある料亭にまねかれた。加賀は勇造の娘圭子をひそかに愛していたが、勇造は加賀よりは小村の方を可愛がっていた。ふとしたえんで加賀は勇造が関心を持っているレコード界でその美しい声で人気を集めている美也子に逢う、彼女は加賀の純情な心にいつしかひかれ、彼のアパートまで押しかけ、加賀が作曲した歌謡曲「影を慕いて」をもらう。一方音楽コンクールは華々しく開かれたが、先夜美也子に逃げられた尾形は、加賀へのはらいせのため、加賀の曲の方が優秀なのにもかかわらず、小村を推した。喜びにあふれる小村、そして圭子の顔、加賀は憤然と失意の念のため蒼白となって楽屋を出た。友人の山口とやけ酒を飲んだ彼は、友や、美也子の温い心になぐさめられ大衆が直接したしめる流行歌を作曲しようと決意した。加賀は早速「影を慕いて」を携えてレコード会社へ売込みにいったが、尾形のいきのかかった各レコード会社の幹部連はこぞって敬遠した。純正音楽から軽音楽へ進む加賀を尾形は罵倒し、彼は破門された。いまや恋敵がいなくなった小村はしつようにくりかえされる水木夫人の愛撫を、圭子の手前遠慮しながらも、ずるずると夫人の愛撫に引きずられていった。ある日水木夫人はレコード会社に曲を売り込みに来た加賀を一目ぼれし、夫人は加賀を誘惑しようとしたが、加賀の口から小村と圭子の間柄を知り、二人を幸福にしてやって下さいと願う加賀のギセイ的な言語にすっかり圧倒されてしまう。一方加賀を慕うのあまり、どうにかして彼の曲を世に発表させようと美也子は自分の身をギセイにして尾形に直接かけあった。彼女の真心にさすが頑固な尾形の心を動かした。水木夫人は小村に加賀の友情をつたえた手紙を送り、姿を消した。事の真相を知った小村と圭子は、加賀にいままでの誤解をさらりとすてて、固い握手で再び二人の友情はめばえた。加賀俊男演奏発表会は盛大にひらかれていた。演奏会の前祝に倒れるまで、酒をのんだ美也子は尾形に抱かれたまま自動車にのっていた。加賀は美也子のいないのに気附くと何かさびしい気持になった。涙にうるむ美也子と尾形をのせた車は方向をかえ、帝劇の前にとまった。ぼうぜんとした美也子に尾形は中へ入るようにうながした。美也子の姿を見つけた加賀はタクトを元気一杯ふった。曲は静かに流れていった。そのメロディは二人の幸福を祝するがごとく次第に高潮していった。


解説

製作は「湯の町悲歌」の児井英生。古賀政男の原案により、脚本は「男の涙」「湯の町悲歌」の山下與志一との協同執筆による野村浩将が「湯の町悲歌」についで監督する。撮影も同じく「湯の町悲歌」の横山実の担当。主演者は「愛染草」の上原謙「足を洗った男」の山根寿子「男の涙」の野上千鶴子「鍋島怪猫伝」の江川宇禮雄「人間模様」の青山五郎「あきれた娘たち」の田中春男らである。


配給新東宝
制作国日本 (1949)
ジャンル 

1949年12月25日より



スタッフ

監督
脚本
原案
製作
撮影
美術
音楽
照明

キャスト

俳優名役名
江川宇礼雄 (Ureo Egawa)尾形勇造
野上千鶴子尾形圭子
上原謙加賀俊男
青山五郎小村英二
鈴木京子照葉
山根寿子妹美也子
千明みゆき水木夫人
田中春男加賀の友人山口
武村新楽器店主北川
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